神田祭

平成25年神田祭特設サイト/天下祭の誇り

| サイトマップ | 神田明神オフィシャル | 明神会館 | お問い合わせ |

神田祭 神田祭について

宮司挨拶

神田神社宮司
大鳥居信史

4年ぶりの神田祭を迎えて



 平成二三年五月に斎行される予定だった神田祭は、同年三月の東日本大震災のため中止のやむなきに至りました。四年ぶりとなる今回の神田祭ほど多くの氏子崇敬者が首を長くして心待ちにしていたことはないものと思います。 東日本大震災の被災地においても祭りの復活こそが、地域社会を再生する大きな力になるという声が、各所で立ち上がっています。

福島県の相馬野馬追神事ご関係の皆様は、いまなお困難な状況の中にありながらも神事の不断の継承に情熱を注がれています。そして本年の神田祭にも騎馬武者がご参加くださり震災に負けない伝統の雄姿を見せて下さる予定です。 歴史を振り返れば、神田・日本橋の町もわずか一六〇年の間で、三回も焦土となりながらも先人の不屈の努力によって繁栄を取り戻してきた過去を忘れてはなりません。

いまから約一六〇年前、安政二年(一八五五)の安政大地震は、江戸の町を崩壊させました。さらに九十年前、大正十二年(一九二三)の関東大震災は、東京に大きな悲劇をもたらしました。そして六八年前、昭和二十年の東京大空襲は、死傷者一〇〇万人を超える惨禍となりました。こうした災害を常に乗り越えながら祭礼を守ってきた日本人の底力を改めて見直すことが必要かと思います。 時あたかも伊勢の神宮におきましては、本年十月には第六二回式年遷宮が行われます。

二十年に一度、古い御殿から新しい御殿に神様に遷座いただく儀式は、生命のよみがえりにも譬えられる日本全国民が奉賛する祭りでもあります。
こうした祭りの力こそが、世界中が賞賛した未曾有の震災の中でも礼儀を失わず、互いに助け合い悲しみを乗り越えてきた日本人の心の原点でもあります。


私たちは祖先から受け継いだ「祭りの力」をもって、混迷する時代の中にあっても孤立することなく地域社会の絆を取り戻して、生命の喜びを多くの方々と互いに謳歌していただきたいと念願しています。